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アルテミス計画 ARTEMIS

 アルテミス計画は、米国主導の国際協力体制のもとで、アポロ計画以来の月面への有人着陸および長期滞在を通した持続的な月探査を目的としたプログラムの総体のことを指します。

 輸送機(SLS : Space Launch System)、有人宇宙船(Orion)、着陸機(HLS : Human Landing System)、月周回有人拠点(Gateway)、商業月面輸送サービス(CLPS : Commercial Lunar Payload Service)等の計画によって構成されており、将来の有人火星探査を見据えた各技術実証を行うことも目的としています。

 日本は、2020年10月に、アルテミス計画を念頭に、宇宙探査・利用を行う際の諸原則について各国の共通認識を示す「アルテミス合意」に、最初の8ヶ国の署名国の1つ(現在の署名国は30ヶ国以上)として署名しており、国際宇宙探査に精力的に取り組み姿勢を示しています。

 具体的には、ISS(国際宇宙ステーション)計画への参加を通して培ってきた有人宇宙滞在技術や補給技術を活かし、月周回有人拠点「Gateway」のモジュールに居住環境を整える技術等を提供するほか、Gatewayへの物資補給を担います。

JAXAの国際宇宙探査ロードマップ JAXA's SPACE EXPLORATION ROADMAP

 JAXAでは、国際宇宙ステーション(ISS)プログラムへの参画や宇宙科学ミッション等で培った 技術や知見を最大限に発揮し、国際的に検討が進む月周回有人拠点(Gateway)への参画とそれを生かした月面での持続的な探査活動の検討を進めています。

 Gatewayについては、日本が強みをもつ分野(有人宇宙滞在技術や補給技術)での貢献に向けた技術検討を実施しています。また、月面活動については、かぐやで得られたデータを活用し、小型月着陸実証機(SLIM)により、月面への高精度着陸技術の獲得を目指し、さらには月極域における水の存在量及び資源利用の可能性の確認を目的とする月極域探査ミッション(LUPEX)を、2025年度の打上げを目標に開発が進められています。

 その先には、将来の有人月面活動を視野に、重力天体である月からのサンプルリターンミッションを行い、将来の月面の本格的な探査と利用につなげていくシナリオを描いています。

 また、月探査により得られる技術と知見を活用して、火星衛星の一つであるフォボスからのサンプルリターンを行う火星衛星探査計画(MMX)を、2026年度の打上げを目標に進めています。

 これらは全て科学的成果の獲得とともに人類の活動領域の拡大に資するものと位置付け、国際協働のもとでの実現を目指しています。

計画概要 PLAN OVERVIEW

国際宇宙探査ロードマップ図

国際宇宙探査協働グループ ISECG

 ISECG(International Space Exploration Coordination Group:国際宇宙探査協働グループ)は、JAXAを含む世界27の宇宙機関が参加し、宇宙探査分野での国際協力の在り方・進め方を議論する枠組みです。

 ISECGにおける議論は、以下のようなワーキンググループにおいて分野ごとに進められており、JAXAは各ワーキンググループへの参加を通して国際協力による宇宙探査を推進しています。


ISECG詳細についてはこちら(英語サイト):https://www.globalspaceexploration.org/

過去のISECG関連のニュースは以下をご参照ください:

民間企業との連携取り組み COOPERATION WITH
PRIVATE SECTOR

JAXAでは、持続的な月探査活動の推進に向け、民間企業との協業活動を促進していきます。実現にあたっては、異業種協働の研究開発を目指す宇宙探査イノベーションハブや、新たな民間事業の創出に取り組むJ-SPARC等の仕組みも活用し、宇宙以外の領域での協業も推進しています。

宇宙探査イノベーションハブについてはこちら

J-SPARC(JAXA新事業促進部)についてはこちら

科学探査との連携 COOPERATION WITH
SCIENTIFIC EXPLORATION

国際宇宙探査の推進にあたっては、これまでの科学探査活動により得られた知見を活用するとともに、学術界との密接な連携のもと、今後の宇宙科学の発展に寄与していきます。

JAXA宇宙科学研究所(ISAS)のウェブサイトはこちら