PROGRAM

月周回有人拠点 GATEWAY

月周回有人拠点(Gateway)は、月面及び火星に向けた中継基地として、米国の提案のもと、主にISSに参加する宇宙機関から構成された作業チームで開発が進められています。
質量は、国際宇宙ステーションの6~7分の1で、2024年ごろからGatewayの組立てフェーズが予定されており、将来的には4名の宇宙飛行士による年間30日程度の滞在が想定されています。

本構想について、米国をはじめ、カナダ・ヨーロッパ・日本が参加を表明しています。日本は、2020年12月にNASAとの間でゲートウェイ了解覚書(MOU)を結んでおり、2022年11月には、ゲートウェイ了解覚書(MOU)における協力内容を具体化するゲートウェイ実施取り決め(IA)が署名されました。

Gatewayでは、Near Rectilinear Halo Orbit (NRHO軌道)という軌道をとることにより、軌道面が常に地球を向き、地球との通信が常時確保されます。また、NRHO軌道は、地球からの到達エネルギーが月低軌道到達に要するエネルギーの70%程度であり、輸送コストが比較的小さくなるという利点があります。加えて、月の南極の可視時間が長く、南極探査の通信中継としても都合がよい軌道となっています。

民生用月周回有人拠点のための協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国宇宙局(NASA)との了解覚書の発効(21.1.13)

月周回有人拠点「ゲートウェイ」のための協力に関する文部科学省と米航空宇宙局の実施取決め(22.11.18)

月周回有人拠点(Gateway)における日本分担案

Gateway構想について、JAXAは、これまでにISSや有人宇宙活動、宇宙ステーション補給機「こうのとり」で培った技術を活用した参画を検討しています。
具体的には、居住機能及び補給での貢献を念頭に、Gatewayミニ居住棟(HALO)への機器の提供、欧州宇宙機関(ESA)、NASAとの連携による国際居住棟(I-HAB)のサブシステム(環境制御・生命維持装置)での参画、及び地球からGatewayへの物資補給には、宇宙ステーション補給機「こうのとり」を改良して現在開発中の「HTV-X」に、月飛行機能を追加して使用することを検討しています。

[New!] 多数者間調整会合(MCB)共同声明(2019.9.11)

多数者間調整会合(MCB)共同声明(2019.3.5)

月・火星への無人探査 Robotic Exploration
of the Moon and Mars

小型月着陸実証機(SLIM)

JFY2023

打上げ予定

打上げ時質量 約700kg

着陸時質量 約200kg

  • ピンポイント着陸技術の獲得
  • 月面に高精度かつ傾斜地へ着陸する技術の実証

月極域探査ミッション

JFY2024

打上げ目標

打上げ時質量 6t

ペイロード質量 350kg以上
(ローバ含む)

  • 月持続的な探査かつ拠点構築に有利な月極域の探査
  • 水氷の資源利用可能性の調査
  • 越夜技術など重力天体表面探査技術の確立

火星衛星探査計画(MMX)

JFY2024

打上げ予定

火星の衛星フォボスからのサンプル回収を目指す

  • 火星衛星物質のサンプルリターン
  • 火星衛星の由来と、原始太陽系での水起源過程を解明
  • 将来の有人拠点候補地の調査

有人月面探査に向けた技術実証 TECHNICAL STUDY

中型ランダ

2020年代後半

打上げ目標

  • 有人月面探査に向けた離着陸技術の実証
  • 月面への物資補給、サンプルリターンを含むサイエンスミッションなどに活用

広域の有人月面探査に向けた検討 STUDY ON BROAD
LUNAR SURFACE EXPLORATION

月は、6分の1の重力がある重力天体です。一方、クレータ、崖、丘が存在し、また地球と比して過酷な放射線環境や温度環境、極高真空環境に晒されます。広域の有人月面探査には、そのような環境でも1万km以上を走破できる有人与圧ローバが必要とされます。
2030年代前半の目標は以下となります。


有人与圧ローバが拓く「月面社会」勉強会

民間企業との連携取り組み COOPERATION WITH
PRIVATE ENTERPRISE

JAXAでは、持続的な月探査活動の推進に向け、民間企業との協業活動を促進していきます。実現にあたっては、異業種協働の研究開発を目指す宇宙探査イノベーションハブや、新たな民間事業の創出に取り組むJ-SPARC等の仕組みも活用し、宇宙以外の領域での協業も推進しています。

科学探査との連携 COOPERATION WITH
SCIENTIFIC EXPLORATION

国際宇宙探査の推進にあたっては、これまでの科学探査活動により得られた知見を活用するとともに、学術界との密接な連携のもと、今後の宇宙科学の発展に寄与していきます。